ヒマリュウⅠ 〜03.18-SS【幸せいっぱい】追加〜
そして、琴華さんの言葉を聞きながら目線を冬可に向けると、
『……』
こちらを切なそうに見ている冬可と目が合った。
ズキッ…。
傷んだ胸には気付かない振りをして。
『じゃあ琴華さん、失礼します。』
一応敬語を使い、屋上を後にした。
―バタン
『……あ…』
屋上から下に続く階段を降りてるときに気付いた、手に持ったお弁当。
でも……。
…ま、いっか。
琴華さんって言う彼女さんが作ったお弁当があるみたいだし。
自分にそう言い聞かせて、舞のいる教室に歩を進めた。