ヒマリュウⅠ 〜03.18-SS【幸せいっぱい】追加〜



『…は?』


「だから、走り。」



いやいや、その意味がわかんないんだけど…。

そんな、当然だろみたいな目で言われても。



『何であたしに言うの?』


「………」



こんな当然の質問も、お前バカだろって目をしてる冬可には通じなかったらしく。



「………」



そのままシカトを決め込んできた。

…いやいや、言われなきゃまじわかんないから。



『と――…』


「お前の顔見せと、俺の顔見せの為」



いきなり、あたしの言葉を遮って説明をしてくれた。



『顔見せ…?』


「あぁ、お前を龍王に紹介する」



…てことは。



『あたしはあんたを緋廻に紹介すんの?』


「あぁ」



……何で?

何で、そんないかにも面倒くさそうなことやるしかないの?

でも……。



『どうしても?』


「どうしてもだ」


『絶対?』


「絶対だ」


『何で?』


「何でもだ」


『と――…』


「それ以上言ったら…どうなってもしんねぇぞ?」



…またも、目力に負けた。



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