ヒマリュウⅠ 〜03.18-SS【幸せいっぱい】追加〜
返事は分かってる。
「もう許可取ってきてる」
…ほらね、あたしはもう認めるしかないんだよ。
みんながいいって言ってるんだし。
あたし一人嫌がっててもしょうがない。
むしろ…『よし、分かった』楽かもしれない。
―――――…
―――…
移動中の車の中、あたしは一つ条件を出した。
『…ねぇ。』
「ん?」
『条件あんだけど』
「…あぁ」
冬可が返事をしたのを確認して、あたしは切り出した。
『…あたしも総長でいさせて』
やっぱり…、緋廻の総長で居たい。
たとえ、緋廻がなくなっちゃったとしても、あたしはトップで有り続けたい。
それが…楽じゃなくっても。
「何言ってんだお前」
さも当然と言うかのように。
「当たり前じゃねぇか」
最高の笑みで、言いきってくれた。
パッと顔を上げて冬可を見ると、また呆れたような顔。
…でも、優しそうな顔。
「総長じゃなくて、なんになるつもりだったんだよ」
また呆れたような声を出されたけど、でもいい。
『そうだよね』
あたしは、やっぱり緋廻の総長なんだ。