幼なじみ攻略法-愛しの先輩様へ、罰ゲームに便乗して-
プルルル....
「もしもし。」
「も、もしもし。」
相手の声の主は
寝起きだったらしく
最高に声が低かった。
いつもなら不機嫌なんだな。
そう空気を読んで
サヨナラするのに
今日の彼は一味違う、
空気の読めない、
いや読まないやつだった。
「何。」
掠れた声が冷たく彼に問う。
「先輩の番号手に
入れちゃいました。
嬉し過ぎて。
いつの間にか沙智先輩に
かけちゃってました。
へへ。」
可愛い顔には似つかわしくない笑い方を語尾にちょいちょい
つけながら説明すれば、
電話越しから
意外と優しい言葉が
返ってきた。
「良かったネ。」
抑揚0だったが。