幼なじみ攻略法-愛しの先輩様へ、罰ゲームに便乗して-


プルルル....


「もしもし。」


「も、もしもし。」


相手の声の主は
寝起きだったらしく
最高に声が低かった。


いつもなら不機嫌なんだな。


そう空気を読んで
サヨナラするのに
今日の彼は一味違う、
空気の読めない、
いや読まないやつだった。



「何。」


掠れた声が冷たく彼に問う。


「先輩の番号手に
入れちゃいました。
嬉し過ぎて。
いつの間にか沙智先輩に
かけちゃってました。
へへ。」


可愛い顔には似つかわしくない笑い方を語尾にちょいちょい
つけながら説明すれば、
電話越しから
意外と優しい言葉が
返ってきた。


「良かったネ。」


抑揚0だったが。



< 31 / 79 >

この作品をシェア

pagetop