ごめんね…そばに居られなくて
新しい命
幸せって何?
大好きな人と長い時間を共にできること。そして、その人との大事な子供の母になること。だったはずなのに…
こころは、最悪な選択をした。

こころ23才の春、お腹には、小さな命が宿っていた。

高校卒業後就職したが、長年の夢だった仕事につきたくて、昼休みは、試験勉強をした。冬ボーナスをもらって受験の為会社に退職を申し出る。「よし、あとは、受験に受かるっきゃない」バスケットボールクラブのメンバーや高校の時の数学の先生に家庭教師になってもらい必死に勉強した。
現役の高校生と二浪同様の自分が、受験するのだ。筆記試験は、現役には、勝てなくても面接では、おもいっきり自分のこの仕事に対する思いをぶつけた。そして、合格した。奇跡と思った。満足だった。受かったと思うだけで満足だった。

親に頼み込み、学生になるわけだから、辞めるわけにも行かなかった。バイトをしながら、必死に勉強した。
想像以上に学生生活は、楽しかった。そして、あっという間に時が過ぎ、二年生の3月。同級生と羽織り袴に身を包み、無事卒業を迎えた。

こころは、半年前から付き合い始めた彼とも愛を育み、結婚を考えていた。幸せだった。
就職先が決まり、「さあ、これから、本番!頑張らなきゃ」と思った頃、身体に異変が起きた。
< 1 / 14 >

この作品をシェア

pagetop