アリス in wonderland


「…どうして、付き合ってるのに。本気になったら別れるんですか?」

彼女の言葉が、理解できなくて。

あたしは、聞いてしまってから、聞くんじゃなかったと思った。

その答えを知るのは、少し怖く感じて。


あたしの知らないつかさ兄を、知る気がしたから…


「うーん、そーだよねー。なんでだろ(笑)」


あたしの心をまるで読んだかのように、彼女は笑って、はぐらかす。

だからあたしも、それ以上は聞かなかった。


「じゃ、これ。ちょっと着てみて?そのブカブカのジャージよりは、サイズ合うはず 笑」


あたしはお礼を言いながら制服を受け取った。


うっ…

ウェストが、なんとか閉まったけど、結構キツイ…


細すぎでしょ、リエ先輩!っていうか、スタイルよすぎ。


「うん、大丈夫そうだね☆ちょっと袖と、スカートの裾つめようか。じゃ、動かないでね。」


そう言って、スカートの裾から針で留めていくセンパイ。

真剣な表情が、すごく整ってて。

キレイすぎる…



なんで、こんなキレイな人に本気になられて、ふったりするんだろうか。



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