アリス in wonderland


「初めて来られる方はびっくりなさるでしょうね。ここのオーナーは童話、不思議の国のアリスが大好きな人でして。毎月一度、こうして特別なお客様だけ呼んでティーパーティーを開くんですよ。ここは表に看板も出てないですし、あの招待状をもらった人にしか分からないような場所にありますから。ここに来られた方は皆さんアリスのように好奇心や冒険心の強い方ばかりなんです。普段は普通のバーレストランなんですけどね、ティーパーティーの日は特別なんですよ☆」

そう言って帽子屋のウェイターさんはあたしを開いてる席へと案内してくれた。

「あの、白うさぎさんいますか?さっきここ来る時に見かけたんですけど。」

何だか一人じゃ不安で、あの時声をかけてくれた彼と話してみたいと思った。


「あぁ、宇佐美クンなら今はちょっとステージの裏で準備してるんじゃないかな?」

そう言って、帽子屋さんが指差した先には、小さなステージがあった。

誰かこれから演奏するんだろうか、ドラムセットやらアンプやらギターが立ち位置に準備されている。

「ウサギの着ぐるみの人、宇佐美サンって言うんですか?準備って…」


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