アリス in wonderland


いきなりあたしの席に光のスポットライトがあたる。

何が何だか分からない。

帽子屋さん、案内する席間違えたんじゃない!?

そう思って帽子屋さんを見るけど、帽子屋さんはこっちを見て微笑んでるだけで。

どーなってるの!?

「さ、アリスちゃん。ステージにどうぞ☆」

いつの間にか宇佐美クンがあたしの前にいて、あたしの手をとる。

あたしは手をひかれるままにステージのマイクの前に立つ。

スタンドマイクにはブルーのリボンが結びつけてあった。

「…どーゆーこと?」

混乱するあたしは宇佐美クンの手をひっぱり耳打ちする。

でもマイクの前にいたあたしの声は、このバーにいる人全員に聞こえてて。

観客から笑い声がもれる。


ありえないっ!!


だって、いきなりボーカルって、そんなの無理に決まってんじゃんっ!!


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