アリス in wonderland
「ごめんね?実はあの時、アリスちゃんの声に惚れたんです。オレ分かる?ウサギの着ぐるみきてた☆」
「…宇佐美クンでしょ?あそこの帽子屋の格好した人に聞きました。でも声って、そんなしゃべってないし。それに何よりあたしの歌声なんて聞いたこともないじゃない。音痴だったらどーすんの?」
あたしは観客の前だって事も忘れて呆れた顔をしてみせる。
「うーん、じゃあ今歌ってみよっか?それで分かるじゃん?」
嬉しそうにそう言う彼に、返す言葉がない。
「何の曲なら分かる?」
「そんないきなり言われてもっ。」
「じゃあ、ごめんマスター。楽譜数枚持ってきてくれる?有名なヤツ。こん中で知ってる曲は?」
「…コレ?」
「よし、じゃこれにしようっ!」