アリス in wonderland
「ごめんね?いきなりで混乱するよね。本当にボーカル大丈夫?」
宇佐美クンが少し心配そうに聞いてくれる。
「ん、最初はびっくりしたけど大丈夫。実は歌は好きなんだ♪ただこんな素人のあたしでいいの?って逆に聞きたいぐらい。」
あたしがそう言うと、宇佐美クンが微笑む。
「良かった。」
「…前のボーカルはどうして辞めちゃったの?」
何となく思ったコトを口にした。
「うーん、まぁ受験勉強とか、色々あるから。もともと高3になったら辞めるって約束だったんだ。」
宇佐美クンの言葉に、あたしはびっくりする。
「えっ!みんなまだ高校生っ!?」
バーで演奏してるからかもしれないけど、てっきり大学生とかかと思ってた。
あたしの言葉に彼が笑う。
「ははっ。俺たちそんな老けて見える?(笑)みんな結衣ちゃんのいっこ上だよ☆」
「えっ!どうしてあたしの歳知ってんの?」
「制服のネクタイ☆色が赤だから。オレらも実は同じ高校だったりして。」
宇佐美クンがぺろっと舌を出してみせた。
ウソでしょーっ!?
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