アリス in wonderland


「ごめんね?いきなりで混乱するよね。本当にボーカル大丈夫?」

宇佐美クンが少し心配そうに聞いてくれる。

「ん、最初はびっくりしたけど大丈夫。実は歌は好きなんだ♪ただこんな素人のあたしでいいの?って逆に聞きたいぐらい。」

あたしがそう言うと、宇佐美クンが微笑む。

「良かった。」

「…前のボーカルはどうして辞めちゃったの?」

何となく思ったコトを口にした。

「うーん、まぁ受験勉強とか、色々あるから。もともと高3になったら辞めるって約束だったんだ。」

宇佐美クンの言葉に、あたしはびっくりする。

「えっ!みんなまだ高校生っ!?」

バーで演奏してるからかもしれないけど、てっきり大学生とかかと思ってた。

あたしの言葉に彼が笑う。

「ははっ。俺たちそんな老けて見える?(笑)みんな結衣ちゃんのいっこ上だよ☆」

「えっ!どうしてあたしの歳知ってんの?」

「制服のネクタイ☆色が赤だから。オレらも実は同じ高校だったりして。」

宇佐美クンがぺろっと舌を出してみせた。


ウソでしょーっ!?


☆★☆★☆★☆★



< 31 / 129 >

この作品をシェア

pagetop