アリス in wonderland
「別にオレには関係ないからいいよ。じゃーな。」
そうテッペイは言うと、その場を去ってしまった。
あたし達のやりとりを周りで見てた女子達は、勝手に騒いで盛り上がってる。
「何であんな冗談言ったんですか?彼氏候補だなんて。」
あたしは宇佐美センパイを見上げると、彼はキョトンとした顔をする。
「冗談なんかじゃないけど?」
その言葉に、あたしの顔がみるみる赤くなるのが分かる。
やっぱりこの人は、あたしを常にドキドキさせる。
今までにない感情を呼び起こすんだ。
「っていうか、話って何?」
歩きながら恥ずかしさのあまり話題を変える。
「まぁその話は人がいない場所で☆」
そう言って、あたしの手を握るから、もう心臓はマックスのスピードで走り出す。
彼に手を引かれながら、あたしの心からテッペイはすでに消えていた。