アリス in wonderland
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「話ってのはバンドのコト★学校であそこのバーで演奏してるってバレるとヤバいからさ。」
宇佐美センパイが屋上にこっそり忍び込んでから、伸びをしながらそう言った。
「どうりで、こんな有名人なのにバンド見に来てるお客さんにうちの高校の子がいないわけだ。」
あたしが納得すると、宇佐美センパイが笑った。
「オレはつかさ程有名じゃないし、大げさ(笑)」
「何言ってんの?充分目立ってますから!自分のルックスわかってる?日本人はねぇ、ハーフってだけで騒ぐんだよぉ。」
あたしがふざけてそう言ったら、宇佐美センパイが急に真顔になるから調子狂う。
いつもみたいに冗談で笑って返してくれると思ったのに。
「オレ、ハーフじゃないから。」
そうそっけなく言う彼に、戸惑ってしまう。
「そうなんだ?顔立ちがハーフっぽいからさ、みんなそうウワサしてるし、気にさわったならごめんなさい。でもいいことじゃん?ハーフに間違えられるなんて☆」
わざと明るくそう言ったのに、彼はずっと黙ったままで。
気、気まずい…