アリス in wonderland
「宇佐美にハーフ発言しちゃったかぁ。アリスちゃん、それタブー★」
気がつくと勇太クンと翔クンがあたし達のすぐ後ろにいた。
「別にタブーとかじゃねーよ。オレは日本人だってだけ。」
宇佐美センパイがスネたようにそう言う姿が、なんかたまらなく可愛かった。
抱きしめてあげたくなるような、子供みたいな可愛さ。
「まぁまぁ。そんなコトより、今はバンドの話だろ?」
翔クンが二人の間にわって入る。
何だかこの三人って、バランスもいいかもしれない。
「…コレ、次の茶会でやろうかと思う。新譜。」
宇佐美センパイが、手に持ってた紙とCDを配る。
っていうか、亮クンって呼んだ方がいいのかな…
他のバンドメンバーは名前しか教えてもらってなかったし、なんか自然と下の名前で呼んでるけど。
意識すると緊張する…
「…って、結衣ちゃん、聞いてる?」
っ!!!?
「はいっ!聞いてますっ!!」