アリス in wonderland
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「…あたしなんかが歌っていいのかな、ホントに。」
放課後、あたしはあの場所に向かってた。
ワンダーランドと呼ばれる場所。
今日はティーパーティーとやらは行われていないので、ひっそりと開店するブリティッシュな雰囲気のバーレストランって感じで。
やっぱり看板なんかは出てなくて、来てる客は少なめで常連ばかりな感じだ。
あの時帽子屋の格好をしてた男の人が今日はブラックのパンツにシャツでバーテンダーとして働いていた。
あたしはバーカウンタ-に座り彼が出してくれたノンアルコールのカクテルを飲みながらバンドの話しをしている。
話しを出来る人が学校にはいないから、彼は何だか初めて会った時から話しやすくて、気がついたら1時間近く話していた。
「宇佐美クンが選んだんだから、自信持ちなよ。それよりアリスちゃんお腹すかない?好きなの頼んでいいよ、僕のおごり☆」
バーカウンターの向こう側で彼がにっこり微笑む。
「そんなっ。悪いですよ、あたしなら大丈夫です。」
“ぐるるるるる”
!!?