アリス in wonderland
「篠宮さんなら言いよってくる女の人いっぱいいるでしょ。帽子屋の格好の時はびっくりしたけど(笑)、今日のバーテンの格好してればカッコいいよ。大人の男って感じ☆」
あたしの言葉に、篠宮さんが笑う。
「ははっ、それって遠まわしにアリスちゃんにはオレは歳とりすぎって言ってる?」
「そんなつもりじゃっ!」
あたしは食べてたオムライスを軽く喉に詰まらせて、急いで水を飲む。
「冗談だよ(笑)まぁ僕からしても高校生は対象外☆10代とか若いねぇ。」
篠宮さんがしみじみとそんなコト言うから。
なんか妙におかしくてあたしは笑い出す。
何だろう、この人といるとすごく落ち着くっていうか。
居心地がいい。
きっとお兄ちゃんがいたとしたら、こんな感じなんだろうな。
つかさ兄とはまた違う、大人のおっきさっていうか、落ち着きがある人。
「…ねぇ、以前ボーカルに女の子はいた?」
あたしはずっと、心の奥底で気になってたコトを口にしてた。