アリス in wonderland
「ん?いないよ。ボーカルは前の彼が初代だから、元々は友達だったあいつら仲良しグループで結成したんだよ。実はオレの弟が前のボーカル☆でもまぁヤツにはヤツの道があるからね、新しいボーカルが必要になったってワケ。だからアリスちゃんが女の子では初めてだよ、っていうか、全然知らない子を宇佐美クンが引っ張ってきたのはこれが初めて。安心して☆」
にっこり優しく微笑む篠宮さんに、あたしの顔が赤くなる。
すると、お店のドアが開く音がした。
「いらっしゃいませ…って、噂をすれば♪」
篠宮さんがそう言って、こっちにウィンクなんてしてみせるから、あたしはドアの方を向くと
「…結衣ちゃん?いつの間に恭一とそんな仲良くなってたの?」
少し面食らったって顔をした亮クンが立っていた。
「まぁそんなトコ突っ立ってないで座れば?」
篠宮さんはそう言うとあたしの隣に彼のドリンクを置いた。