アリス in wonderland


「ん?いないよ。ボーカルは前の彼が初代だから、元々は友達だったあいつら仲良しグループで結成したんだよ。実はオレの弟が前のボーカル☆でもまぁヤツにはヤツの道があるからね、新しいボーカルが必要になったってワケ。だからアリスちゃんが女の子では初めてだよ、っていうか、全然知らない子を宇佐美クンが引っ張ってきたのはこれが初めて。安心して☆」

にっこり優しく微笑む篠宮さんに、あたしの顔が赤くなる。

すると、お店のドアが開く音がした。

「いらっしゃいませ…って、噂をすれば♪」

篠宮さんがそう言って、こっちにウィンクなんてしてみせるから、あたしはドアの方を向くと

「…結衣ちゃん?いつの間に恭一とそんな仲良くなってたの?」

少し面食らったって顔をした亮クンが立っていた。

「まぁそんなトコ突っ立ってないで座れば?」

篠宮さんはそう言うとあたしの隣に彼のドリンクを置いた。

< 50 / 129 >

この作品をシェア

pagetop