アリス in wonderland
「いいよ、別に。オレは隠してるワケでもないし、あいつの言ったコトは事実だから。ただ自分からベラベラ人に自分の生い立ちしゃべるのは苦手っつーか。」
頭をかきながらそう言う亮クンは、あたしの為に言葉を選んでくれてるんだって感じた。
あたしに疎外感を与えないよう…
「…あたしさ、小学校上がるまで海外住んでたんだ。今じゃもう全然馴染んだけど、昔はどっちにも馴染まなくて。海外では見た目が違うからって外国人扱い、日本じゃ日本語おかしいって外国人扱い。だからさ、少し気持ち分かる気がするよ。って、亮クンのとは全然違うか、何言ってんだろうなぁあたし(笑)」
亮クンの気持ち軽くしたくて、でも自分で言ってて分かんなくなって、笑ってごまかした。
「…今、オレのこと何て呼んだ?」
「えっ!?り、亮クン?」
いきなりの不意打ちな亮クンからの質問に、顔が赤くなる。
とたん、亮クンが嬉しそうな顔をした。