アリス in wonderland
気がつくと篠宮さんがバーカウンターはさんで目の前にいた。
「何でもないよ?ってかホント美味しい、コレ☆」
あたしはそう言って、目の前のオムライスをほおばる。
「だろ?コレ、オレのお気に入りメニュー♪」
嬉しそうに隣の彼が笑うから。
またドキドキしちゃうじゃないか。
「ってか結衣ちゃんいつまでいんの?家どこ?もう外暗いし危ないよー」
亮クンがそう言うから、初めて自分が長居してたコトに気づく。
「やっばいっ!もうそろそろ帰んなきゃ…」
「それ食べてからでも大丈夫?ごめんね、オレ車だし送ってあげたいんだけど、仕事閉めまでまだ時間あるから。」
篠宮さんがそんなコト言うから、あたしはおもいきり顔を横にふる。
「そんなっ、あたしが好きでいたんだから気にしないで下さいっ!あたしなら大丈夫ですから、うち住宅街だし結構安全なんで。」
「…オレが送ってくから」
隣で照れくさそうにボソッと呟いた彼を、思わず勢いよく見てしまう。