アリス in wonderland
結衣ってのはあたしの名前で。
テッペイはこの学校で唯一あたしを“アリス”と呼ばない人物だ。
「はいっ。また終わったら勝手にあたしのロッカー入れといて。」
あたしは廊下にある自分のロッカーから辞書を出してテッペイに渡した。
「サンキュ!マジ結衣には何時も感謝してる☆」
そう言うと爽やかな笑顔でヤツは去っていった。
「ったく。ごめん、美咲。」
そう言いながら美咲のとこに戻ると、美咲はぼーっとテッペイの去っていったドアの方を見つめている。
「美咲?」
「やっぱテッペイ君ってかっこいいよねぇ。」
ため息混じりにそんなコト言うから、あたしは首を傾げる。
「そうか?普通じゃん。」