アリス in wonderland


★☆★☆★☆★

日曜日。

あたしは待ち合わせ場所へと向かう。

行き先は一番近くの遊園地。

ダブルデートの定番?

「アリスっ!おはよ☆」

美咲が笑顔であたしに手をふる。

「おはよ。早いね。」

時間ギリギリに着いたあたしに、美咲は満面の笑みを向ける。

「だってなんか落ち着かなくて。アリス、テッペイ君と一緒じゃないんだ?」

幼なじみだから、あたしとテッペイの家は当然近い。

何となく最近気まずくて、テッペイを避けてしまう自分がいる。

「うん、まぁアイツは一本遅い電車なんじゃない?朝弱いから。」

そう言いながら、後ろの駅から亮クンが来るのが見えて、ドキッとする。

私服もやっぱりカッコイイ。

雑誌から抜けてきたように目立つ彼は、あたし達を見つけると笑顔で手をふる。

「宇佐美先輩☆おはようございます♪」

「おはよ。二人とも待った?ごめんね。」

爽やかな笑顔でそう言う彼に、あたし達二人はおもいきり首を横にふる。

「全然っ!今来たとこ。」

あたしの言葉に、優しく微笑む亮クン。

心臓が、ドキドキ音をたてる。




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