アリス in wonderland

「…なぁ。宇佐美先輩の事、やっぱずっと好きだったのか?」

「えっ?」

突然、隣に並ぶテッペイがそんな事を言うから。

あたしは首を傾ける。

「だって。じゃなきゃ納得いかねーっつうか。あん時からなんだろ?」

「…テッペイは、覚えてるの?」


前に、亮クンが言っていた。

あたし達は前に会った事があるって。


つかさ兄と昔仲良かったのなら

きっとテッペイは、その時の事を言ってるんだろう。


あたしの記憶にはない、その事実を…


「勿論、忘れるわけねーじゃんか。」

テッペイがそう言ったのを聞いて、あたしの中で半信半疑だったモノが、確実なモノへと変わる。


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