アリス in wonderland
ふわりと、優しく亮クンの両腕が
あたしを包む。
優しいぬくもりが
彼の体温が
あたしの心を溶かしてく…
好きだと思う。
思うのに、
「…正直、あたし、自分の気持ちが分からない。亮クンのこと、好きだと思ってた。これが恋なんだって。でも、テッペイに告られて。それも分からなくなったってゆーか。テッペイのこと好きなのかどーかも、分からないし、何より、美咲が…美咲がいるのに、テッペイを選ぶなんて出来なっ、うぅーっ。」
溢れ出る涙は
もう止められないほど、
ダムが決壊したみたいにあふれてくる。
あたしは、亮クンの胸で
思い切り泣いていた。
ずっと亮クンは、ただ黙って
小さな子供をあやすみたいに
あたしの背中をさすってくれてた。
…ねぇ、今この瞬間は、あたしは確実に
亮クンを愛しいと思ってるよ。
これは恋って呼べるの??
テッペイも、亮クンも気になるなんて、
あたしは、そんな最低な女だったの?
神様、教えてよ。
どーして、こんなことになったのかな。
ずっとテッペイとは、幼なじみのままでいたかったよ…