アリス in wonderland
人気のない場所まで来て、彼女達は立ち止まった。
まさか自分がこんな事に巻き込まれるなんて、考えた事もなかった。
こんなの、漫画の世界とかでしか、ありえないコトだと思ってたから。
「あんた昔から目障りだったけど。萩原兄弟だけじゃ空き足らず、最近じゃ宇佐見君にもちょっかい出してるんだって?」
そう冷たい目であたしを見ながら吐き捨てる彼女達。
嫉妬は、時に人を狂わせるのかもしれない。
怖い…
彼女達の目は、完全に正気を失ってるように見えた。
「あんたなんか、さいてーな女!この学園から、消えちゃいなさいよ。」
「生意気なのよ!」
そう罵られて、あたしは地面に倒れ込む。
「っ痛!」
勢いよく倒れた為、膝が擦りむいて、血がにじんでいった。
それでも彼女達は、止まらない。
「ふん。そんぐらいで済むと思わないでよ。二度と宇佐見君と、萩原兄弟に見せられない顔にしてやる。」
そう言って、ハサミを持ち出した彼女に、あたしは震えた。
「嫌っ!!」