アリス in wonderland


「えぇ!?勇太君!???」


あたしの声に、つかさ兄が少し耳を押さえる。

「な、なんで??勇太クンとつかさ兄って、友達だったの!??」

あたしのびっくりした反応に、勇太クンは少し困ったように笑う。

「うーん。まぁ同じ学校で同じ学年だしね。そんな驚く事もないと思うんだけど。」

そっか。そーだよね。

別に、バンドメンバーだって、他に友達はいるわけで。

全然つかさ兄と友達でも、おかしくないんだけど。

なんか以外…


亮クンは、昔仲良かったなんていうし。


つかさ兄って、もしかしなくても、このバンドメンバーと結構仲良いの??

でも、今は全然話さないって亮クンは言ってたのに。


頭が軽く混乱する。


そんなあたしに、つかさ兄は、ジャージを差し出す。

「ほら、オレら後ろ向いててやるから。早く着替えな。風邪ひくぞ。」

そう言って、二人はあたしに背を向ける。

あたしは素直にその場で、つかさ兄のジャージに着替えた。

この二人なら、なぜか信頼出来るんだ。


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