アリス in wonderland
「もう大丈夫。二人とも、ありがとう。」
つかさ兄の、ブカブカのジャージを着て、あたしは上着をつかさ兄に返す。
袖は完全に手が隠れてしまってるし、ズボンの裾も何十にも折り曲げて、ウェストは腰パンしてるみたいに下がってきてしまう。
そんなズボンをずりあげながら、たたずむあたしに
二人同時に「ぷっ」と吹き出すから。
あたしは顔が赤くなっていく。
「ちょっ!二人して笑わないでよっ!!しょーがないじゃん、つかさ兄デカイんだもん。」
軽くキレるあたしに、二人は笑いながら謝る。
なんかこの二人、雰囲気似てるんだ。
あたしは、そう思いながら、軽くふくれてみせる。
「ははっ。でももう大丈夫そうだな。良かったよ、つかさが間に合ったみたいで。じゃ、オレ先行くけど。お前ら、教室戻るの?なんなら担任にうまい事言っとくよ。今日はそのまま帰ったら?制服も、ソレなんとかしたほうがいいだろーし。」
勇太クンはそう言うと、あたしの手にある制服を指さした。
あ…そうだ、お母さんに何て言ったらいいんだろ。
そう思って、手元にある制服を見つめる。
「そうだな。そーしてくれると助かるよ。あ、あとオレとコイツの荷物とかも頼めるか?オレ、このままコイツ連れてくから。」
「オッケー。じゃ、また連絡するわ」
「おー。サンキューな」