アリス in wonderland
「あのさ。」
不意にマジメな顔になって、あたしの瞳を覗き込むつかさ兄。
心臓がドクンっとはねる。
彼の瞳から目が離せなくて、次の言葉を待つ。
「宇佐見とは、ほんとのところどーなの?」
「え?」
亮クン??
思いがけない名前が出てきて、あたしは一瞬戸惑う。
「付き合ってんの?」
あたしの返事に、つかさ兄がそう聞き返す。
「な、付き合ってなんかないよ!最近ちょっと親しくなっただけで、友達!そう、友達だから。」
慌ててそう答えるあたしに。
つかさ兄は、視線をそらさずじっと見つめてたんだけど。
急にため息をついた。
「…友達、ね。」