この想いは・・・。

「俺、その時の先輩の笑顔見て・・・先輩をのこと好きになりました。もちろん憧れじゃなくて恋愛としてです」


あの時の笑った暁先輩はとても綺麗だった。

純粋におばあちゃんの安全に喜んでいた笑顔だった。



「・・・」


先輩は黙ったまま俺を見つめる。

顔を赤くして・・・。



「でも、話かける勇気もないし、想いを伝える勇気もなく・・・先輩は卒業して、上京して・・・俺は何も行動に移せずに失恋しました」


「・・・ジュウくん」


「先輩?俺はジュウじゃなくて剛志だよ?」


「・・・剛志くん」


先輩が俺の名前を呼んだ瞬間、胸が熱くなってドキドキした。


好きな人に自分の名前を呼んでもらうだけでこんなに嬉しいんだ・・・。



「先輩がこっちに戻ってきたことは、会社の受付を見たときに分かりました」



びっくりした気持ちと

あの頃より大人っぽい笑顔で笑う暁先輩を見て


あの頃の感情が



また俺の心を支配した。



――――――暁先輩のことが好きという気持ちが・・・。



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