この想いは・・・。
宏太は、あたしのいとことだ。
あたしの1つ上で宏太は前まであたしの2つ下のもう1人のいとこ・・・晴子に恋をしていた。
そして、あたしは宏太がずっと小さい頃から好きだった。
晴子は宏太の想いに気がついてなくて、
宏太はあたしの想いに気がついてなくて、
そんなあたしたちは、矢印が一直線に向かった恋を何年もしていた。
でもその矢印があたしだけになったのは、あたしが26歳の時だ。
晴子が結婚した。
相手は宏太の親友の信さん。
幸せそうに笑う晴子を宏太は辛そうな顔をして眺めていた。
ずっと晴子が好きだったんだもん、宏太がそんな表情をする気持ちも分かる。
でも、晴子がブーケトスをする時には宏太は幸せそうな顔で晴子と信さんを見ていた。
あたしはそんな宏太を見て、きっと宏太は晴子から卒業できたんだとすぐに分かった。
そして、宏太が次に恋をするのは自分だと思っていた。
――――――なぜかあの時はそんな自信があった。
それから1年と半年が経って、あたしは28歳、宏太は来月に29歳になる。
あたしは宏太が29歳になる日・・・宏太の誕生日に告白しようと思っていた。