この想いは・・・。




あれから、5年・・・。


あたしは宏太の隣にいた。



でも決して宏太の1番ではなかった。




あたしは宏太の"保険"。



晴子ちゃんと会えなかったり、晴子ちゃんと何かあったら、あたしで寂しさを埋める。


あたしはそんな保険。


宏太はあたしを"利用"してるだけ。



宏太は最低な人。



でもそんな最低な人だと分かっていてもあたしは別れようとは思わなかった。



だってあたしは"保険"でも"利用"されていても


宏太だけが大好きだから・・・―――――




大好きだからこそ、別れられなかった。




そんな気持ちをズルズル背負って、あたしももう26歳になっていた。



あたしこのままでいいの?


このままずっと保険でいいの?



そう考えた時、お婆ちゃんの笑った顔を思い出した。


―お婆ちゃん、なんであたしの名前愛子にしたの?―


―愛ちゃんにはね、人の愛を貰ってすくすくと育ってほしい。そう思って"愛子"にしたの―



・・・・お婆ちゃん。



そして、あたしは決心した。


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