この想いは・・・。


「はじめまして。田崎愛子です」


「こちらこそはじめまして。佐藤亮平です」


お見合いはお母さんに電話した1週間後に行われた。


佐藤さんは29歳のポッチャリとした優しい雰囲気を持つ人だった。



「佐藤さんは食品メーカーにお勤めされてるんですね」


「はい。新しい商品を作ったりしてます。食べるの好きだから仕事は大好きですね」


佐藤さんのニッコリ笑った。

優しそうな笑顔だった。


宏太の何かを求めているような目ではなくて、心から笑っている様な笑顔だった。



「田崎さんはどういったお仕事をされてるんですか?」


「あたしは――――――」



「―――――」



「――――」



「―――」



・・・・・―――――――



「もうこんな時間ですね」


「本当だ・・・」



佐藤さんと話しをしてから5時間も経っていた。


時間を気にしないぐらい、あたしは夢中で佐藤さんと話していた。



「田崎さん、宜しければまたお会いすることはできませんか?」


「・・・はい。あたしも佐藤さんともっとお話しがしたいです」



心から言えた言葉だった。


< 135 / 195 >

この作品をシェア

pagetop