この想いは・・・。
「はじめまして。田崎愛子です」
「こちらこそはじめまして。佐藤亮平です」
お見合いはお母さんに電話した1週間後に行われた。
佐藤さんは29歳のポッチャリとした優しい雰囲気を持つ人だった。
「佐藤さんは食品メーカーにお勤めされてるんですね」
「はい。新しい商品を作ったりしてます。食べるの好きだから仕事は大好きですね」
佐藤さんのニッコリ笑った。
優しそうな笑顔だった。
宏太の何かを求めているような目ではなくて、心から笑っている様な笑顔だった。
「田崎さんはどういったお仕事をされてるんですか?」
「あたしは――――――」
「―――――」
「――――」
「―――」
・・・・・―――――――
「もうこんな時間ですね」
「本当だ・・・」
佐藤さんと話しをしてから5時間も経っていた。
時間を気にしないぐらい、あたしは夢中で佐藤さんと話していた。
「田崎さん、宜しければまたお会いすることはできませんか?」
「・・・はい。あたしも佐藤さんともっとお話しがしたいです」
心から言えた言葉だった。