この想いは・・・。
「ではまた連絡しますね」
「はい」
あたしたちはお互いの番号を交換すると、お見合いしていたホテルの前で別れた。
あたしが乗っているタクシーが見えなくなるまで佐藤さんは手を振っていた。
そんな佐藤さんを見ていると胸が温かくなった。
30前の人がずっと手を振ってくれるなんて・・・。
きっと宏太ならしてくれないよね・・・――――――――
あたしはタクシーの中で今さっき会って話していた佐藤さんのことなんてすぐ忘れて、宏太のことばかり考えていた。
「明日、15時でいいですか」
「はい。分かりました」
「楽しみにしてますね、それではまた明日」
「はい」
プッ
お見合いをしてから1ヶ月。
佐藤さんとはあれから2、3回会っていた。
前は喫茶店に行って4時間話した。
佐藤さんといるとすぐ時間を忘れしまう・・・。
このまま・・・このまま、佐藤さんを好きになれればいいのに・・・―――――。