この想いは・・・。
「宏太が死んだ悲しみで泣いていたことを夏歩に知られたら夏歩は絶対に一緒に住もうとするでしょ?」
現に夏歩は宏太が死んだ時、ここに一緒に住むと言ってくれた。
けどあたしは首を横に振った。
「夏歩の重荷になりたくないし幸せを奪いたくなかったの」
「なんでお母さんと住むことであたしの幸せを奪うことになるの?」
「住むなら姑とかいない方がいいの。あたしなんかと住んだら気を使ったりしてストレスとか溜まるかもしれないしね」
「溜まる訳ないよ。お母さんだよ?一緒に住もう?」
「・・・」
あたしはまた首を横に振った。
「夏歩の重荷にもなりたくないけと、1番はあたしはこの家で最後を過ごしたいからなの」
夏歩と住むとしたら、あたしは夏歩の買ったばかりの家に行かないといけない。
「宏太と何十年過ごしたこの家を離れたくない」
この家こそ宏太とあたしの思い出がいっぱい詰まった家だから・・・。
離れたくない。
「・・・お母さん」
「今はまだ悲しい時泣いてるかもしれない。
でも、あたしが成長したら、宏太を思い出して泣いてるあたしから
宏太を思い出して笑えるあたしになれるから・・・」