この想いは・・・。
「俺、松下七海っていう部署が一緒の奴と3年間付き合ってたんです」
大学時代から付き合っていて、結婚も考えていた。
大切にしていた。
七海にも伝わっていると思ってた。
でも・・・
「それが昨日・・・フラれました」
七海には伝わってなかった。
「ふーん・・・で?お前はフラれた理由分かってんのか?」
「・・・分かりません」
"壱・・・もう、あたし限界だよ"
"あたし疲れた。壱・・・別れよう"
3年間付き合ったのに思い出すのは昨日の七海。
なんでフラれたんだ?
何も分からない。
「壱吾、俺お前に言ったよな?"壱吾、彼女を大切にしろよ"って・・・」
「・・・」
宏太先輩の結婚式の日、宏太先輩が俺に言った言葉だ。
「"失った瞬間に気づいても遅ぇ-んだからな"って言ったよな?」
「・・・はい」
「お前なにしてんだよ」
宏太先輩はため息を吐いた。
「壱吾、ちゃんと松下を見ていたのか?」
「え?」
「最近の松下のことお前ちゃんと言えるか?」
「・・・言えますよ」