この想いは・・・。
「おい、松下。これコピーして」
「はい」
「・・・ハァ」
部長に紙を貰いに行く七海を見てため息が出た。
気まずい・・・。
別れてから5日間が経った。
別れてから七海から電話もメールもない。
当たり前だ。
俺たちは別れたんだから。
でも自然に七海からの着信を待っている自分がいた。
でも七海からの着信はない。
ため息しか出ない。
「壱吾」
「あっ、はい」
隣のデスクの宏太先輩が視線はパソコンに向けて話しかけてきた。
「何ですか?」
「お前、もう1回ちゃんと松下と話せ」
「えっ・・・・無理ですよ」
もう七海は俺に話すことなんてないだろうし、誘って困った顔をされても辛いだけだ。
「お前はまだ好きなんだろ?」
「・・・」
「・・・その気持ちだけは伝えた方がいーんじゃねーの?」
「・・・」
「まぁ、今は仕事しろ。仕事」
先輩は昼休憩まで話し掛けてはこなかった。