この想いは・・・。
親友の信と飲んでいる時だった。
「ん?宏太、携帯鳴ってるぞ」
「マジ?・・・・もしもし」
ディスプレイを見て出るのに迷った。
でも、目の前に信もいる。
だから俺は電話に出ることにした。
『もしもし、宏太』
「ハルから電話って珍しいな」
電話の相手はハルからだった。
『うん・・・ねぇ、今なにしてるの?』
「今?今は友達と飲んでる」
俺はチラッと信を見て言った。
『そっか。いきなり電話してごめんね』
「どうした?」
『うん・・・今さっき駅で痴漢にあっちゃって・・・1人が怖くて』
痴漢?
「それは危ない。お前も来いよ。大丈夫、友達は1人だけだし。ちゃんと送ってやるから」
『えっ、でも』
ハルは来るのに渋る。
たぶん信がいるから迷惑が掛かると思ってるんだ。
「俺帰ろうか?」
信が気を利かして帰ろうとした。
「え、いーよ。信いろよ。ハル来いよな」
『え?』
ハルの返事も聞かずに電話を切った。