この想いは・・・。
「ねぇ、宏太」
「なんだよ、ハル。ハンデなんてあげねーからな」
女でも容赦しねーからな。
「あたしね・・・彼氏ができたの」
幸せそうにハルは笑った。
ガタッ
「・・・え」
それは本当にいきなりだった。
俺の実家でゲームをしていた時だった。
「あっ、勝った!初めて宏太に勝った---!」
ハルの発言に驚いてコントローラーを落としてしまって、初めて格闘ゲームでハルに負けてしまった。
「お、お前今のは卑怯だろっ」
「宏太がコントローラー落としたのが悪い」
負けたのは悔しい。
でもそれより・・・
「・・・彼氏?」
「うん。彼氏」
ハルはまたゲームをするのか、俺じゃなくてテレビに視線を向けてキャラを選んでいる。
「誰だよ・・・」
圭か?
でも前は圭とは付き合いたいとは思わないって言ってた。
じゃあ誰だ?
「谷口くんだよ・・・あ、信・・だよ」
ハルは信を『谷口さん』から『信』と言い換えながら顔を赤くして言った。
その表情にも辛かったが、ハルの彼氏が信と聞いて、体が固まった。