この想いは・・・。
「ハル、結婚おめでとう」
本当はそんなこと言いたくて来た訳じゃない。
「・・・ありがとう」
でもそんな俺の気持ちを知らずにハルは笑った。
そんなはにかんだ笑顔で笑う所も好きだった。
「ねぇ、宏太。いきなりなんだけどね」
「ん?」
いきなりって、なんだ?
「あたしの初恋はね、宏太なんだよ」
ハルのいきなりの驚き発言。
「は・・・俺?」
ハルの初恋相手が俺?
「うん。小さい頃から中学3年生まで、ずっと宏太が好きだったんだよ」
「マジかよ・・・」
今さら知ってしまったハルの初恋相手。
俺とハルは両想いだったってことかよ・・・。
「高校生になって宏太のこと諦めたの。だから、『コウ』って呼ぶのやめたの」
「・・・」
俺はハルが俺のことを『コウ』って呼ぶ響きが好きだった。
それが聞けなくなったのは俺が大学1年生。
初めてハルが『宏太』って呼んだときに違和感を感じたのを今でも覚えている。
「なんで今言ったんだよ」
なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ。
そうすれば俺たちは・・・-------