この想いは・・・。





「晴子っ」





「え・・・宏太が晴子って呼んだの初めてだね」




君を『晴子』と呼んだのはケジメ。



今から愛子を一生愛する誓い。



そう思って『晴子』と呼んだ。




「宏太、なに?」


「結婚おめでとう!幸せになっ」



やっと心から言えた晴子へのお祝いの言葉。


「ありがとう!宏太も愛子ちゃんもお幸せにっ」



晴子は笑顔で信の元に行った。



「・・・愛子」


2人っきりになり、自分の胸の中にいる愛しい人の名前を呼んだ。


「な、なに?」


「クックックッ、噛むなよ」


「だって~」


顔を真っ赤にして愛子は顔を上げた。



もしかすると、愛子のこんな顔を見たのは初めてだったかもしれない。


「今まで、いっぱい悲しませて、ごめんな」



いつも見る愛子は無理に笑った顔だった。



「今が幸せだからいいの」



愛子はニッコリ笑うと俺にキツく抱きついた。


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