この想いは・・・。
あいつが泣きそうな笑顔で彼氏が出来たと聞いたのは、
俺が21歳でハルが18歳の時だった。
ハルの彼氏は圭って言う名前で付き合って1ヶ月になるハルと同い年の奴だと聞いた。
聞いた瞬間、時が止まったような感じと、なんでハルはそんな悲しい顔で言うのか分からなかった。
「ハルは幸せなの?」
俺は興味がないフリをするように雑誌を見ながら聞いてみた。
「・・・うん」
ハルは気づいたか・・・?
返事するのが遅れていたことに。
「・・・そっか。ならいいんだ」
俺は思ってもいないことを言った。
「ねぇ、宏太」
ハルが『宏太』と呼び出したのは高校1年生。
ハルが宏太と呼ぶ瞬間はなんだか、寂しい。
「なんだ?」
「・・・宏太は好きな人じゃなくても付き合える?」
「は?」
なんだいきなり・・・。
ハルの行動が読めない。
「だから・・・好きじゃない人でも彼女にできる?」
ハルは悲しそうに顔を床に向けて言った。