この想いは・・・。

あいつが泣きそうな笑顔で彼氏が出来たと聞いたのは、

俺が21歳でハルが18歳の時だった。



ハルの彼氏は圭って言う名前で付き合って1ヶ月になるハルと同い年の奴だと聞いた。



聞いた瞬間、時が止まったような感じと、なんでハルはそんな悲しい顔で言うのか分からなかった。





「ハルは幸せなの?」


俺は興味がないフリをするように雑誌を見ながら聞いてみた。


「・・・うん」


ハルは気づいたか・・・?


返事するのが遅れていたことに。



「・・・そっか。ならいいんだ」


俺は思ってもいないことを言った。



「ねぇ、宏太」


ハルが『宏太』と呼び出したのは高校1年生。


ハルが宏太と呼ぶ瞬間はなんだか、寂しい。


「なんだ?」


「・・・宏太は好きな人じゃなくても付き合える?」


「は?」


なんだいきなり・・・。

ハルの行動が読めない。


「だから・・・好きじゃない人でも彼女にできる?」


ハルは悲しそうに顔を床に向けて言った。


< 7 / 195 >

この作品をシェア

pagetop