この想いは・・・。


―――――♪~♪♪♪~♪



「宏太、携帯鳴ってるよ」


「え?あっ、ホントだ。サンキュ」



パカッ


携帯を開くと、新着メールのお知らせ。



ピッ


「誰からだったの?」


俺の前にいた愛子は振り返って俺に言った。



「なんだ?嫉妬か?」


「ちがっ・・・うん」



こいつ、素直になったな。


愛子が愛しく感じて抱きしめた。


「大丈夫だよ。相手は昔のフラれ仲間からだ」


「フラれ仲間?」


「おぅ」



・・・・あいつ、やっと前に進めたか。








『あんたに言われなくても、もう後悔しないように大切に使うわよ。ばーか! 坂野より』





―――――――パチン



空くんにメールをして、ヒールを履いた。



「もう出るの?」


「うん」


「そう。いってらっしゃい」


「行ってきます」


ガチャ



ドアを開けると涼しい風が吹いていた。



1歩1歩前に進む度に頭の中で谷口くんとの思い出が駆け巡った。



もう泣かない。



悲しくないから。



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