この想いは・・・。




「お先でーす。お疲れ様でーす」


いつものように仕事を終わらせ、定時過ぎに帰ろうとした。


「待て武田」


この声を聞くまでは・・・。



「・・・お先でーす」


「却下」


「・・・慶太先輩、何ですか」


帰ろうとした俺に話掛けて来たのは2コ上の慶太先輩だ。


「頼みたい事があるんだ」


「嫌です」


「まだなんも言ってねーよ」


「・・・何ですか」


なんか嫌な予感・・・。



「これをさ・・・**会社に持ってて来んね?持って行ったらそのまま帰っていいから」


慶太先輩は申し訳なさそうな素振りもせず、笑って言った。


「えー・・・家と正反対」


少しの抵抗をしてみる。


「俺、先輩。お前は?」


「・・・武田剛志」


ベシッ


「痛っ」


「お前は後輩。さっさと行け」



俺は1発パンチされ、いらない茶封筒を手に会社から出た。



**会社って結構遠くて嫌なんだよな・・・。


まぁ、しょうがないか。



俺は、歩いて**会社に向かった。


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