この想いは・・・。
「今日・・・部長に会うためにあそこで会ったのも、部長に誘われていたからですか?」
「うん・・・朝に誘われて、あの時に断りに言ったの。
それで帰ろうとした時、待ち伏せされてて、必死に断ってたらジュウくんが来てくれたの」
部長諦めろよ・・・。
でも、あの結構モテる部長がそこまで必死にして振り向かせたい気持ちは分かる。
だって相手はあの暁先輩だから・・・――――――
「ジュウくん今から帰り?」
元気よく「はい」と言いたい。
「今から**会社に書類を届けないといけないんです」
あの時、早く帰っておけば・・・
でも、暁先輩と会えたし、これで良かったか・・・。
「そっか・・・じゃあ、あたしこっちだから。また明日ね」
先輩は**会社の正反対を指差すと、歩き出した。
パシッ
「えっ・・・ジュウくん?」
「・・・待って下さい」
俺は歩き出そうとしていた暁先輩の腕を掴んだ。
「どうしたの?」
「俺の家・・・暁先輩と同じ方向なんです。**会社に行くから遠回りになるけど、送らして下さい」
もう暗い時間だ。
暁先輩を1人帰らしてはいけない。
そう思った俺はいきおいで暁先輩を送るよう言った。