この想いは・・・。
「先輩は1人暮らししないんですか?」
「あたし自炊苦手なの」
「そうなんですか?でも数年間、東京で生活してたんだから自炊できるじゃないですか」
「う―ん・・・どうだろ」
「そういえば先輩はなんでこっちに帰ってきたんですか?」
なんとなしに聞いた言葉に暁先輩は悲しそうに笑った。
「暁先輩・・・?」
「・・・カッコ悪いんだけどさ、失恋しちゃったんだ」
「え・・・」
先輩が失恋・・・?
「大好きな人がいてね、その人が結婚したの。それで、その人を見るのが辛くて逃げちゃったの」
「・・・先輩」
いつも先輩は人気者だった。
先輩を憧れている後輩が男女問わず何人もいた。
いつも中心にいた先輩。
いつも笑っていた先輩。
そんな暁先輩が失恋・・・?