俺様先生と秘密の授業【完全版】
「大総長って……俊介兄貴が?」

「ええ」

 思わず、トゲトゲしくなったあたしの声に。

 吉住さんは、困ったように頭を掻いた。

「もちろん、本当に兄って事でなく。
 俺のコトは、ボディ・ガードだと思ってください」

「ボディ・ガード!」

「はい」

 何か、とんでもないことを、フツーに吉住さんは、話す。

「これから、大総長が、いらっしゃらない時は、俺が、愛莉さんのそばに詰めて、守ります。
 それは、基本、朝晩の通学も。
 教室に居る時も含まれるので、一番一緒に居て違和感のない形を取ろう、と言うことになり……」

 それで『兄妹』ってことになったって、吉住さんは言う。

 なんか、かえって目立つような気もするけれど。

 とにかく、名字まで変えて来るあたり、ものすごく、大掛かりだ。

 しかも。

「一体、誰から、あたしを守ってくれるって言うのよ!
 まさか、岸君からなんて言ったら怒るわよ?」

 なんて言うあたしに。

 吉住さんはますます困った顔をした。

「……それが……
 水野小路会は、天竜組の裏組織である『藤沢組』と全面抗争を始めました」

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