俺様先生と秘密の授業【完全版】
 あたしの言葉に、吉住さんは、考え深げに言った。

「愛莉さんが、普通の生活を望まれているのは、承知の上ですが。
 天竜組の岸から離れるために転校し、黒服のボディ・ガードにがっちり守らせるって案もあったくらいで」

「……ウソ」

「そこまでしなくても。
 俺が、愛莉さんの学校に潜入し。
 早瀬倉さんと連携ガードすれば間に合うって思うくらいには。
 大総長も岸の事を信用しては、いるみたいです」

「……って、それ、五十歩百歩って言わない?」

「言いませんよ。
 宿敵の縁続き相手についてにしては、破格の大信頼です」

 と。

 吉住さんは、胸をそらせて受けあったけれど、ねぇ。

 学校に居る時も、岸と二人きりにならず、俺と居るか、保健室に居てくださいって言うんだもんっ!

「……つまり、あたしは、岸君と付き合えないってこと?」

「……まあ、有り体に、言えば。
 この騒ぎが終わるまで……俺としては、永遠に、でも良いですが……ご遠慮下さい」

「ええええ~~っ」

 つい、素直に。

 嫌な顔をしたあたしに、吉住さんは、一礼した。
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