俺様先生と秘密の授業【完全版】
「大総長も、俺も。
 そして、多分、早瀬倉さんも。
 愛莉さんの事が、とても心配です。
 俺が来たからには、天竜組のヤツらからだけでなく。
 クラスの悪ガキからも、バッチリ、しっかり守らせていただきます。
 愛莉さんは、どうぞ、心安らかに、今まで通りの生活を送って下さい」

 なんて言う、吉住さんは、やる気満々で。

 これ以上、あたしの意見なんて聞きそうにない。

 あたしは、ため息をついて、一つだけ聞いた。

「あたしの方は、ともかく。
 吉住さん自身は、どうなの?」

「はい?」

「あたしの所へ来るために、今までの生活を全部、捨てて来たんでしょう?」

「……別に、全部では、ありません。
 この学校では、なるべく秘密にするつもりですが、沈黙の狼トップ4-1の座は、降りては無いですし。
 他の事については、些細な変更に過ぎません」

 そう、何でもない事のように言う、吉住さんに、あたしは、身を乗り出した。

「些細?
 だって兄貴に言われて名字変えたんでしょう?
 それに、今までやってたお仕事なり、学校なりを辞めないと、あたしのガードなんて、出来ないわよね?」

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