俺様先生と秘密の授業【完全版】
そんな、あたしの心配に。
吉住さんは、それは、本当に何でもない事だと笑った。
「実は、俺。
来年の春に、沈黙の狼を引退後、水野小路会に入る事が決定していたんです。
しかも、最近のヤクザは、学歴が無いとダメって方針で。
大総長の口聞きで、入会と同時に、夜間高校に入学させてもらう予定でした」
「ふ、ふうん」
「だから、それが早まって、給料を貰える上、昼間に学校に通えるんです。
しかも『加月』のお名前をいただいた挙げ句。
大総長の片腕として、動けるんですから。
これ以上、嬉しいことは、ありません」
そう言う吉住さんの顔は、兄貴への尊敬とか憧れとかってヤツで、きらきらと輝いていた。
本当に、この役割が嬉しいんだな、って判る。
だけども。
「水野小路会って、普通の企業じゃないよね?
一度入ったら、もう、二度と。
陽の当たる場所には、出られないのに……」
そんな、あたしの言葉に、吉住さんは、静かに首を振った。
吉住さんは、それは、本当に何でもない事だと笑った。
「実は、俺。
来年の春に、沈黙の狼を引退後、水野小路会に入る事が決定していたんです。
しかも、最近のヤクザは、学歴が無いとダメって方針で。
大総長の口聞きで、入会と同時に、夜間高校に入学させてもらう予定でした」
「ふ、ふうん」
「だから、それが早まって、給料を貰える上、昼間に学校に通えるんです。
しかも『加月』のお名前をいただいた挙げ句。
大総長の片腕として、動けるんですから。
これ以上、嬉しいことは、ありません」
そう言う吉住さんの顔は、兄貴への尊敬とか憧れとかってヤツで、きらきらと輝いていた。
本当に、この役割が嬉しいんだな、って判る。
だけども。
「水野小路会って、普通の企業じゃないよね?
一度入ったら、もう、二度と。
陽の当たる場所には、出られないのに……」
そんな、あたしの言葉に、吉住さんは、静かに首を振った。