俺様先生と秘密の授業【完全版】
 あたし、今まで兄貴のコトが兄妹として好きだったし。

 これからだって、多分、キライにならない。

 それに。

 あたしにあんなに極甘な兄貴が。

 自分の懐に入って来た仲間に対して、冷たい態度を取るなんて、思えなかったから。

 吉住さんの言ってるコトは、本当のコトなんだろう。

 けれども。

 吉住さんの他のコトが目に入らない、みたいな。

 真っ直ぐな想いは、純粋すぎて、心配だった。

 そんなあたしの声に、吉住さんは、きっぱりと、首を振った。

「陽の当たる世界は、俺を見捨て。
 俺は、世間を裏切りました。
 でも、大総長はどんな時でも、その手を俺に差し伸べてくれたんです。
 例え、そこが薄暗くても。
 やっぱり、俺が帰る場所は、大総長の後ろ姿が見える所が良いです」







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