俺様先生と秘密の授業【完全版】
「俊介の拳を受けた時、いやにキレイな受け身を取ってたから、何かやってるなと思ってたけどな。
だから、お前は……クラスメートにイジメられても、怒らず。
出来るはずの反撃もしないで、教室のスミで小さくなってたのか……」
しみじみと言った早瀬倉先生の声には、岸君は答えなかった。
カラダの傷なのか。
それとも。
ココロの方なのか。
岸君は痛みをこらえるように、顔を歪ませると。
黙って、上掛けを引き上げて、アタマから被ってしまった。
岸君が、カバンを抱きしめて震えていたのは。
クラスメートが怖かったんじゃなく……
怒れば簡単にヒトを傷つけかねない、自分が怖かったんだ。
「……岸君……」
あたし、岸君にかけてあげられる言葉が見つからなくて。
ただ、その名前だけ、呼んだ。
でも、掛け物の下の岸君は、応えてくれなくて。
様子を見ていた早瀬倉先生は、ため息をついて言った。
「岸の事は、俺が見てるから。
愛莉と吉住は、教室に帰れ」
だから、お前は……クラスメートにイジメられても、怒らず。
出来るはずの反撃もしないで、教室のスミで小さくなってたのか……」
しみじみと言った早瀬倉先生の声には、岸君は答えなかった。
カラダの傷なのか。
それとも。
ココロの方なのか。
岸君は痛みをこらえるように、顔を歪ませると。
黙って、上掛けを引き上げて、アタマから被ってしまった。
岸君が、カバンを抱きしめて震えていたのは。
クラスメートが怖かったんじゃなく……
怒れば簡単にヒトを傷つけかねない、自分が怖かったんだ。
「……岸君……」
あたし、岸君にかけてあげられる言葉が見つからなくて。
ただ、その名前だけ、呼んだ。
でも、掛け物の下の岸君は、応えてくれなくて。
様子を見ていた早瀬倉先生は、ため息をついて言った。
「岸の事は、俺が見てるから。
愛莉と吉住は、教室に帰れ」