俺様先生と秘密の授業【完全版】
 岸君も、教室に戻って来なかったから。

 もしかしたら、家に帰ったのかな……って、それだけでも確認したいのに!

 この。

 あたしの目の前にたちはだかる吉住さんが、どうしても、動いてくれない。

 ……ってか。

 細々と用事を頼んでくれるから、保健室に行くヒマがないのよっ!

 さすがに、大所帯を率いるトップだけあって。

 睨む、とか。

 特攻服を着たりとか。

 好戦的な態度や服装をしなければ、思ったより人当たりが良く。

 年齢も、他のヒトと違う興味深さも手伝ってか。

 吉住さんの周りには、なんとなくクラスメートが集まって話しかけたりしているのに。

 あたしが、そっと教室を抜け出そうとすると。

 なぜか、いつも扉の前に、吉住さんがにこやかに立っていた。

「どいて?」

「嫌です」

「最初の休み時間は、移動する教室が判らなくて連れて行ったし、次の時間は、学校の案内をしたから良いじゃない?
 今度は、何?」

「クラスには、雑用を分担する係ってのがあるじゃないですか。
 その種類と役割を教えて下さい」

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